2007年の発売以来、モデルの追加等を経て、現在も変わらぬデザインで販売を継続しているフィンランド スント社のリストコンピューター Coreシリーズの、SUUNTO Core アルミニウムブラックである。スント社では、腕時計ではなく、あくまで”リストコンピューター”と呼んでいる。
高度計/気圧計/方位/温度計/水深計/日の出日の入等、多様な情報を計測・表示可能なことから、そういったカテゴリとするのは十分頷ける。この時計は本来の目的である登山等のアウトドアでの使用以外にも、そのデザインの美しさから、ファッションアイテム的な目的で使用している人も多いようだ。ケースサイズは50mm、厚みは15mmもあり、重量は65gと軽量だが、装着してみると、かなりのボリューム感がある。しかし、角がない緩やかなアールで構成されたケースは、意外に邪魔にならず、ビジネスシーンにおいても、ワイシャツの袖口に何とか隠れる厚みと大きさであり、業種にもよるだろうが、オンタイムでの利用も可能なサイズである。
この時計のデザインは、フィンランド スント社においてなされ、製造はすべて中国となっているようだ。並行輸入品が多く出回っており、前述のとおり、時計というよりもコンピューターという性格の製品であるため、初期不良の報告が多いが、しっかりと検品されているという、正規輸入品の場合はそのようなケースは少ないように思われる。実際、正規品を交換を含め3個手にしたが、初期不良品には一度も当たっていない。製品の仕上げも十分納得できるものであった。ただし、このアルミニウムについては、注意する点があり、使用後ボトムケースに付着した汗などの水分はすぐに湿った布で拭い、乾燥させておく必要がある。ケースの仕上げは酸化皮膜による塗装のようだが、使用者の体質によっては、アルミニウムが電気分解してしまい、表面に黒ずみが生じてしまうことがあるようだ。私はこのパターンに該当してしまい、外した後の汗を拭ってはいたのだが、1週間程で斑点状の黒ずみが生じてしまい、どうしても落とす事ができなくなってしまった。酸化皮膜の仕上げの問題かと思い、正規輸入代理店であるアメアスポーツに質問したところ、一度見させて欲しいとのことで、製品を送付した結果、前述の報告があった。しかしながら、アメアスポーツの対応はすばらしく、購入後間もないことを考慮してくれたのか、わずか数日で本体交換に応じてくれ、以後は使用後湿った布で拭った上で乾いた布で仕上げるという使用方法にしたところ、1ヶ月程度経過したが、わずかに黒ずみが生じている程度で、以前のような拡がりはない状態である。この事例は海外サイトでも非常に報告が少ないことから、使用者の体質によるところが大きいのかも知れない。
私は、登山ではなく、MTBでのポタリング時の利用が多いのだが、特にこれからの季節は、気圧の変動を見る事により、天候の急変がある程度予測できるため、行動の決定に役立つ。
ベゼルは回転式だが、これについては個体差があり、3個のうち1個は非常に固いものがあった。電池は市販の電池も利用可能で、スント社のキットを購入すると、カバーとOリング、専用工具がセットになっている。使い方にもよるが、通常数ヶ月から1年程度はもつようだ。予備の電池を用意しておけば、時計店に行かずとも自分で電池交換が気軽にできるのはありがたい。
防水性能は3気圧のいわゆる日常生活用防水程度であり、10mの水深計がついていることを考慮するともうすこし高機能であって欲しいと思わなくもないが、電池交換の気軽さとのトレードオフと思えば致し方ないところであろう。このモデルは反転液晶タイプであり、視認性は通常タイプに比較すると、室内ではかなり劣るが、屋外での視認性は意外に悪くない。また、裏コマンドでコントラストの調整も可能で、標準より1ないし2アップした状態であれば、室内でも殆ど問題を感じない。ケースがアルミ製なので、ぶつけたりすると簡単に傷が入り、変形してしまうことが想定されるため、本格的なアウトドア使用には向かないと思うが、デザインがシンプルで美しく、非常に軽量であり、腕時計ではあまりなじみの無い質感は所有欲を満たしてくれる。この種の時計では、カシオのプロトレックがあるが、本格的に登山をするのであればそちらを選ぶと思うが、普段使いとしては、デザインが大仰すぎ、視認性も今ひとつ良くないと感じられ、Coreを選択したことは正解だと思っている。サイズや価格の点から、万人にお勧めできる製品ではないが、人とは違う個性的なアウトドアウォッチを探している方におすすめしたい。
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